夜尿症(おねしょ)ってなに?症状・原因・治療法をわかりやすく解説
出典: https://www.youtube.com/watch?v=fuySmUr2LiY
こんにちは、所沢磯野クリニックの磯野誠院長です。
今回は「夜尿症(やにょうしょう)」、いわゆるおねしょについて、わかりやすくご説明します。
夜尿症は“特別な病気”ではありません
日本では、5歳以上の子どものうち約80万人が夜尿症に悩んでいるとされています。
ところが、その約90%は治療を受けていないのが現状です。
夜尿症は命にかかわる病気ではありませんが、以下の理由から治療が推奨されます。
- 子どものメンタルヘルスに影響を与える可能性がある
- 他の病気が隠れていないかを確認する必要がある
- 宿泊行事など学校生活への対応が必要
実際、夜尿があることで自尊心が低下するケースが多く、少しでも改善することで自信を取り戻す子どもが多いというデータもあります。
夜尿症とは?
以下の3つをすべて満たすと「夜尿症」と診断されます:
- 5歳以上
- 睡眠中に無意識におしっこを漏らす
- 月1回以上、3ヶ月以上続いている
主な原因は3つ
- 夜間の尿の量が多い
- 膀胱の容量が小さい
- 尿意で目が覚めず、トイレに行けない
昼間も尿漏れがある場合は注意
夜だけでなく昼間にも尿漏れがある場合は、別の病気が隠れている可能性があるため、まずは小児科や泌尿器科の受診をおすすめします。
自宅でできる夜尿症対策
夜間のおねしょがある場合、まず試したいのが以下の生活改善です。
1. 寝る前の水分を控える
就寝前2時間は飲み物の量を少なめに。
2. 寝る前のトイレを習慣に
膀胱を空にしてから寝ることで、夜中のおねしょを減らせます。
3. トイレトレーニング
少しずつおしっこを我慢する時間を伸ばすことで、膀胱のコントロールが上達します。
それでも改善しないときは?
生活習慣の見直しだけで改善しない場合、専門の治療が検討されます。
薬物療法(保険適用)
- 夜間の尿量を減らす薬
- 膀胱を拡げやすくする薬 メリット:即効性があり、費用も抑えられる デメリット:薬をやめると再発の可能性あり
アラーム療法(自費)
- おしっこが出始めたタイミングでアラームが鳴り、目覚めてトイレに行く メリット:根本的な改善が期待できる デメリット:効果が出るまで時間がかかり、費用がかかる
まとめ
夜尿症は、決して恥ずかしいことでも特別なことでもありません。
早めの対策と、子どもの気持ちに寄り添うことがとても大切です。
「そのうち治る」ではなく、気になる方は泌尿器科や小児科の医師に相談してみましょう。
みんながぐっすり眠れる毎日を目指して、無理せず一緒に取り組んでいきましょう。