科学者が選ぶ!SF映画の名シーンと科学描写のリアルな魅力

科学者が選ぶ!SF映画の名シーンと科学描写のリアルな魅力

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Nature誌は、量子力学誕生百周年の記念として、科学者たちにSF映画の中で好きなシーンについてアンケートを実施しました。

クリストファー・ノーランが監督・共同脚本を務めた2014年の『インターステラー』(2014年)と『プレステージ』(2006年)が、科学の描写で一貫して高く評価されました。以下ネタバレを含みます。

『プレステージ』(2006年):19世紀末のロンドンを舞台に、ロバート・アンジャー(ヒュー・ジャックマン)とアルフレッド・ボーデン(クリスチャン・ベール)という二人のライバルマジシャンが、「テレポーテーション」のトリックで観客を魅了します。ボーデンは双子の存在を隠すことでトリックを成功させますが、アンジャーは科学者ニコラ・テスラ(デヴィッド・ボウイ)に依頼し、自身の複製を作り出すテレポーテーションマシンを開発します。
『インターステラー』(2014年):元NASAの科学者であるジョセフ・クーパー(マシュー・マコノヒー)は、人類を救うため、土星付近に現れたワームホールを通ってガルガンチュアというブラックホール近くの居住可能な惑星を目指すミッションに選ばれます。彼は後に、ミッションが帰還を想定していないこと、そしてワームホールは未来の科学者たちによって作られたものであることを知ります。

■その他の注目作品:

  • 『スター・トレックIV 故郷への長い道』(1986年):地球を滅亡の危機から救うため、エンタープライズ号のクルーは過去へタイムトラベルし、絶滅したクジラを現代へ連れて帰ります。当時、透明アルミニウムという最先端技術は特許をとったばかりで、最先端の材料科学がそれほど早く映画に取り入れられたことは驚きです。
  • 『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』(1989年):この映画の最初の続編では、彼は未来に行き、不幸な子供たちを正そうとします。マクフライが1つのシーンで乗るホバーボードは当時ファンタジーでしたが、現在は存在します。
  • 『スパイダーマン:スパイダーバース』(2018年):悪役キングピンが、並行宇宙を開くために粒子加速器を使用するシーンが登場します。その描写は、大型ハドロン衝突型加速器(LHC)を彷彿とさせます。

昔SF映画で出てきた様々な機器や技術が現実のものとなっているのは驚きです。現在上映されている映画のシーンも未来は達成されるのでしょうか。
「なれるかなれねぇかなんてくだらねぇこと言うんじゃねぇ!! 信じると言われたならそれに応えること以外考えんじゃねぇ!!」嘴平伊之助(鬼滅の刃より)

科学者が選ぶ!SF映画の名シーンと科学描写のリアルな魅力
科学者が選ぶ!SF映画の名シーンと科学描写のリアルな魅力(出典:AI生成画像)

参考情報
The sci-fi films that physicists love to watch — from Interstellar to Spider-Man
Author: Jen A. Miller
Publication: Nature
Publisher: Springer Nature
Date: Oct 24, 2025
doi: https://doi.org/10.1038/d41586-025-03440-7

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