「乾燥肌」と「脱水状態の肌」:違いの見分け方・重要な理由

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脱水状態の肌は「水分」が不足しており、乾燥肌は「皮脂(油分)」が不足しています。この違いはわかりにくいかもしれませんが、「保湿(油分)」が必要なのか「水分補給」が必要なのかを見極めるために、理解しておくことが大切です。

スキンケア製品を調べ始めると、「水分補給(ハイドレーション)」と「保湿(モイスチャライゼーション)」は別物なの?と疑問に思うかもしれません。
答えは「はい」、別物です。
では、自分の肌にはどちらが必要なのか、どう判断すればいいのでしょうか?
そのためにはまず、「脱水状態の肌」と「乾燥肌」の違いを理解することが重要です。

脱水状態の肌は「水分」が不足しており、乾燥肌は「皮脂(油分)」が不足しています。この違いはわかりにくいかもしれませんが、「保湿(油分)」が必要なのか「水分補給」が必要なのかを見極めるために、理解しておくことが大切です。

脱水状態の肌

脱水状態の肌は、水分が不足している状態です。
これは肌タイプに関係なく誰にでも起こり得るもので、脂性肌や混合肌の人でも脱水になることがあります。

脱水した肌は、一般的にくすんで見えたり、表面に小ジワが出たり、ハリや弾力が低下したりと、老化のサインが早く現れることがあります。

自分の肌が脱水状態かどうかを確かめる簡単な方法に、“つねるテスト”があります。
これはあくまで目安ですが、肌の内側からの状態を意識するきっかけとして有効です。

つねるテストを試してみましょう

  1. 頬、お腹、胸、または手の甲など、肌の一部を軽くつねて数秒間キープします。
  2. すぐに元に戻れば、水分は足りている可能性が高いです。
  3. 戻るのに時間がかかるようであれば、脱水状態の可能性があります

他の部位でも繰り返してみると、より確かな感覚がつかめます。

脱水状態の肌には、次のようなサインが見られることもあります:

  • 目の下のクマ(たるみ)や疲れたような印象
  • かゆみ
  • 肌のくすみ
  • 小ジワやシワの目立ち

乾燥肌

乾燥肌(医学的には「乾皮症」)は、水分ではなく油分(皮脂や脂質)が不足している肌タイプです。
脂性肌や混合肌と同じように、乾燥肌は生まれ持った肌質の一種であり、肌がカサついたり、粉をふいたように見えるのが特徴です。
乾燥肌に見られる症状の例:

  • 粉ふきうろこ状のかさつき
  • 皮むけ
  • 赤みや色素変化
  • 刺激感
  • 乾癬・湿疹・皮膚炎などの悪化

乾燥肌と脱水肌では、対処法が異なります

肌を健やかに保つには、「水分補給(ハイドレーション)」か「保湿(モイスチャライゼーション)」を正しく選ぶことが重要です。

  • 脱水肌 → 水分補給を中心に。保湿剤は必須ではない場合もあります。
  • 乾燥肌 → 水分補給だけだと逆効果なことも。油分を補う保湿ケアが必要です。

両方を行う場合は、水分補給 → 保湿の順番で
つまり、水分を与えた後に、その水分を閉じ込めるステップを踏みましょう。

成分乾燥肌向き? 脱水肌向き?
ヒアルロン酸両方:塗布後にオイルや保湿剤で閉じ込めるのがポイント
グリセリン脱水肌向き
アロエ脱水肌向き
ハチミツ脱水肌向き
ナッツ・種子系オイル(ココナッツ、アーモンド、ヘンプなど)乾燥肌向き
シアバター乾燥肌向き
植物オイル(スクワラン、ホホバ、ローズヒップ、ティーツリー、アルガンなど)乾燥肌向き
カタツムリエキス脱水肌向き
ミネラルオイル乾燥肌向き
ラノリン乾燥肌向き
乳酸脱水肌向き
クエン酸脱水肌向き
セラミド両方:皮膚のバリア機能を強化し、水分の蒸発を防ぐ
尿素乾燥肌向き
コロイドオートミール乾燥肌向き

※肌の状態は人によって異なるため、新しい成分や製品を使う前には皮膚科専門医への相談をおすすめします。

脱水肌・乾燥肌の人が避けたいスキンケア成分

肌が非常に乾燥したり脱水状態にあるとき、役立つ成分もありますが、刺激となる可能性のある成分には注意が必要です。
脱水肌・乾燥肌は、通常よりも敏感になっていることが多いため、以下のような刺激物を避けるようにしましょう。

  • 香料(フレグランスやパフューム)
  • 着色料(染料)
  • アルコールや変性アルコール
  • 物理的なスクラブ(シュガースクラブやコーヒー粉など)
  • 精油(使用する際は必ずキャリアオイルで希釈を)

肌の健康を保つための追加アドバイス

脱水肌には:

  • 内側からの水分補給が必須です。体内から肌に水分を届けるため、こまめに水を飲みましょう。
  • 水分の多い食べ物もおすすめです:
    • スイカ
    • いちご
    • きゅうり
    • セロリ
  • ローズウォーターなどの保湿ミストを持ち歩くのも◎

乾燥肌には:

  • 保湿を継続的に行いましょう。肌に水分をしっかり保持させることがカギです。
  • 特に夜間の保湿ケアが大切です。
    • 冬場は加湿器の使用がおすすめ
    • ジェルタイプのスリーピングマスクも効果的です
  • 手や足の乾燥がひどい場合は:
    • 保湿クリームをたっぷり塗り、
    • 手袋や靴下を着けて寝ると、よりしっかり浸透します。

いつ皮膚科を受診すべき?

自宅ケアをしても肌の状態が改善しない、または悪化する場合は、皮膚科医に相談しましょう。
適切なスキンケア製品や成分のアドバイスが受けられます。
場合によっては、外用薬の処方が必要になることもあります。

最後のまとめ

  • 脱水肌乾燥肌は、同じ状態ではありません
    実は、乾燥肌は肌トラブルではなく“肌質”のひとつです。
  • この2つは対処法が異なるため、自己ケアを始める前に自分の肌状態を見極めることが大切です。
    必要なのは、水分補給(ハイドレーション)か保湿(モイスチャライゼーション)、あるいはその両方かもしれません。
  • 自宅でのケアで改善が見られない場合や、状態が悪化する場合は、皮膚科医に相談しましょう。
    あなたの肌に合った適切な治療法を見つける手助けをしてくれます。

原文: Dry Skin vs. Dehydrated: How to Tell the Difference — And Why It Matters

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