骨粗鬆症性骨折の最新アプローチ|Lancetセミナーによる診断・治療戦略
骨粗鬆症性骨折に対する最新のアプローチを、臨床医向けに解説したLancet誌のセミナーです。
①骨粗鬆症のスクリーニングに一律の推奨年齢はなく、リスク因子(年齢、性別、脆弱性骨折の既往など)に加え、骨密度測定(DXA)が重要である。
②骨折リスク評価には、FRAX®が広く用いられており、骨の微細構造を評価するTBS(Trabecular Bone Score)をFRAX®に組み込むことで、精度をさらに向上させることができる。
③治療薬の選択には、骨粗鬆症の重症度、患者の医学的状態を考慮します。Goal-directed treatmentでは、個々のリスクプロファイルに基づいて治療目標を設定する。骨形成促進薬は骨吸収抑制薬よりも骨折リスクを速やかに低下させ、骨密度を増加させます。高齢者や腎機能低下患者では、治療選択肢が限られる。
④栄養に関して、ビタミンDはカルシウム・リンの恒常性において重要だが、ビタミンD欠乏症のリスクが高い人に限定すべき。カルシウムは、食事からの摂取が理想的。ビタミンKは骨の健康に有益である可能性がある。
⑤デノスマブ治療の中止後には、骨吸収が急速に進み、椎体骨折のリスクが高まる可能性があり、中止後には、ビスホスホネートへの移行が推奨される。
⑥高齢者の治療では、多剤併用のリスク、転倒、期待寿命を考慮する。短期予測ツール(QFractureやGarvan)が有用。
⑦骨粗鬆症の治療には、治療開始と継続を支援する、医療提供者と患者の関係性が重要。
など、一般的な基本事項が述べられています。
男性の骨粗鬆症も重要なテーマとして扱われ、スクリーニング、リスク因子、治療法について概説されています。

参考情報
Publication History:
Published September 11, 2025
DOI: 10.1016/S0140-6736(25)01385-6
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