歯周病の世界的課題と最新対策|炭酸水素ナトリウム配合歯磨き粉の効果
自慢じゃないですが私は歯が悲惨なレベルで悪く、歯科通院が欠かせません。毛沢東元中国国家主席も歯が悪かったらしいですが、なんと一生のうち一度も歯を磨いたことがなかったそうです。格が違います・・
世界的に見ても歯周病は深刻な公衆衛生問題であり、特に中国では、喫煙や不適切な食生活、歯科へのアクセスが悪いなどの理由により、歯周病が多発しているそうです。成人の約87%が出血性歯茎bleeding gums、97%が歯石の蓄積calculus buildupを経験しており、いずれも歯周病の初期兆候と考えられています。
歯周病は、歯茎に蓄積されるバイオフィルム、すなわち細菌の層「プラーク」が原因です。プラークは長期間放置されると歯肉の炎症や歯槽骨の破壊、最終的には歯の喪失につながります。多くの歯磨き粉は症状の緩和に焦点を当てているが、プラークの構造そのものを破壊することには限界がありました。
Haleonの研究チームは、19世紀から使われている炭酸水素ナトリウム(重曹)の再評価を進めています。高濃度の炭酸水素ナトリウムは成熟したプラークを構成する多層構造を破壊し、微生物を除去しやすくしましたが、形成早期のプラークには効果が小さく、また高濃度のために歯磨き粉の安定性や味覚の調整といった課題もありました。
最終的に、67%の炭酸水素ナトリウムを配合した歯磨き粉が安定性と効果のバランスに優れていると考えられ、これを用いた臨床試験において、アメリカやヨーロッパ、アジアの複数の地域で2、3か月の期間にわたり、歯肉出血や歯周炎の改善効果が確認されています。
さらに微生物叢(マイクロバイオーム)のバランスを整える製剤や、選択的抗菌技術、自然由来成分の採用、環境負荷を軽減した材料の研究も進められています。AI技術を活用した成分の最適化も計画されており、これらを日常の歯磨きに取り入れることで、歯周病の予防と早期対策が期待されています。
それ、早く言ってよ~(;´д`)トホホ…

参考情報
Banishing tooth plaque to boost oral hygiene
https://www.nature.com/articles/d42473-025-00212-9