自律型ソフトロボットが気管挿管を革新|迅速かつ安全な救命処置への応用

自律型ソフトロボットが気管挿管を革新|迅速かつ安全な救命処置への応用

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ローテーションで麻酔科を回ったのは35年以上前ですが、ローテーションで回ったばかりの頃は、気管挿管は大きな壁でした。熟練した医師でも挿管困難な患者さんもいるので、やはり挿管は技術や知識、熟練を要する技術です。この課題に対し、Vine Medicalの研究チームは、特別な訓練なしに迅速かつ安全な挿管を可能にする、自律的に気管へチューブを挿入するソフトロボットを開発しました。マネキンや死体を用いた実験では、熟練者が100%の成功率と平均8秒以内の挿管時間を達成しました。また、5分間のトレーニングを受けた医療従事者が死体に対し、このデバイスを用いた場合、初回成功率は87%、全体成功率は96%、挿管成功までの平均試行回数は1.1回、時間は21秒であり、ビデオ喉頭鏡を用いた場合(初回成功率63%、全体成功率92%、平均試行回数1.6回、時間44秒)と比較して、有意な時間短縮が認められました。

この結果は、このロボットが救命処置の精度、信頼性、そして医療従事者へのアクセシビリティ向上に貢献する可能性を示唆しています。ロボット無しで挿管できない医師が増えそうですが。。(;´д`)

自律型ソフトロボットが気管挿管を革新|迅速かつ安全な救命処置への応用
自律型ソフトロボットが気管挿管を革新|迅速かつ安全な救命処置への応用(出典):AI生成画像

論文情報
Soft robot steers itself down the human airway
doi: https://doi.org/10.1038/d41586-025-02991-z

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